医大生 の blog

医学部のこと。読んだ本について書きます。

信頼できる医療情報サイトがない件について

DMMのウェルクがサイトを閉じてからもう一年になる。あのサイトは肩こりのページで霊がいるかもしれないからと注意を喚起していたらしい。そんなサイトがSEO対策で検索上位に来ていたなど恐ろしいことである。
医療健康サイトは大勢の人が調べる分野であるので、アクセス数が見込める分野だ。かつ、医療に関しては情報の非対称性のため、書いてある情報が正しいか否か判断するのがとても難しい。 病気や症状に関する情報をネットで調べたいと思っている人はたくさんいるのに、肝心の信頼できるサイトはなく、どの情報を信頼していいかわからない。

病院に行けばいいのだが、不安なときにすぐ正しい情報があれば慌てずにすむと思う。

しかし、正しく信頼の置ける情報をもっているのはたいてい医師であり、医師の仕事はネットに情報を書き込むことではない。医師は本業でお金をもらっているので、金銭的インセンティブも働かない。確かに、健康系のサイトが事実か誤りかもわからないようなふわっとしたものになってしまうのもうなずける。

信頼できるサイトを調べてみた。

クソ情報が出てこないようにした検索システム

welqがくそ過ぎて、信頼できるサイトのみを検索できるようにしたというこちらの検索システム。

http://www.lifefuckers.com/entry/2016/11/29/Medi-Search

しかし頭痛と検索してトップに出てくるのが、厚労省のページでものすごく読みづらい。

きょうの健康

なかなか医師が監修しているサイトというのは少ないようだ。そんな中でも信頼の置ける医療情報というのは少ないながらも存在する。
例えば、NHKの「きょうの健康」などである。

www4.nhk.or.jp

専門家が監修して正しい情報を発信している。禁煙や認知症についての記事はとても面白かった。しかし、みんなが気軽に検索して、知りたいことを調べられるサイトと言うよりもやはり情報発信の番組である。

医療サイトのリスク

やはり、医療情報サイトを運営するというのは、間違った情報が載っていたときなど問題になりやすくリスクの高い分野であると言える。しかし、アクセス数は大量に稼げる分野でもある。そのため、曖昧な情報が大量に載っているSEO対策ががっつりされたwelqのようなサイトが問題になるのだ。

海外では

海外のサイトは、がっつりお金を入れて記事を作っている。稼げるアクセス数も大量であるため、そんなことができるのだろう。

信頼の置ける医療サイトの作り方とは

m3.comのような医師専門サイトが出してくれたらできそうではある。お医者さんに自分たちの持っている知識をネットに書いてもらえたら、信頼の置けるサイトにはなりそうである。でも、なかなか難しそう。お医者さん側にも書くメリットがないから。
Wikipediaや、ヤフー知恵袋のような善意での書き込みができる形で発展させられればできるのかな。 何にせよ、いずれみんなが安心して医療関係の調べ物ができる日が来ればいいなあ。



本当にあった医学論文
これ本当にあったの!?といいたくなるような面白い医学論文を集めた本。ツッコミどころがすごくて楽しめました。