医大生 の blog

医学部のこと。読んだ本について書きます。

【ネタバレあり】降谷零という男がたまらなくかっこいい  【ゼロの執行人】

 

 

映画館で、「ゼロ」の声に身震いしてはや一年。

映画名探偵コナンの最新作『ゼロの執行人』を見た。

 

降谷零という男の生き様が恐ろしく格好いい。

 

彼はまだ29歳。

 

彼はただ、ただひたすらに、日本を守るために生きている。

彼にプライベートは存在しない。ただ、日本の安全のみを考え働き続けている。

 

 

日本の一般的な29歳の男の人、新卒で入社して5年近い。仕事にもなれて部下を引っ張ることもある。毎日遅くまで仕事をして、仕事終わりのビールは最高にうまい。

彼女は、2年ほど前に忙しさを理由に別れてからいない。そろそろ周りの友人に結婚しているやつも増えてきたが、未だそんなことは考えられない。

日々会社に行き、自分を食わせていくので精一杯。

私の想像する29歳はこんな感じ。

 

 

しかし、降谷零は違う。

彼には、彼としての生活がほとんど存在しないのだ。

公安警察としての自分。公安の命令により潜入している犯罪組織の一員、バーボンとしての自分。さらにそれを隠して動くための、探偵安室透としての自分。

その3つの顔を使い分ける毎日。当然彼自身としてのプライベートな生活を営む時間などない。

公安であることが、発覚すると即、命に関わる。

日々休む間もなく働き続ける。

たとえ休暇があったとしても、それはやはり体を壊すことなく仕事をするための休みでしかないのであろう。

一日ぽっかり空いた休みで、友人と会ったり、映画を見たり、買い物をしたり、そんな日常はきっと存在しない。

私が彼の本当の顔を見たのは、赤井に激昂しているときくらいである。

本当の自分がどれなのか、わからなくなったりはしないのだろうか。日々別の人間を演じ続けることに辛くなったりはしないのだろうか。この人の前なら本当の自分に戻れる、彼にそんな人はいるのだろうか。

きっともういないのだ。

彼を残して旅立ったしまったのだ。

 

 

しかし彼は働き続ける。日本のために。

彼にとって「生きること」と「日本を守ること」は、一本の線でつながっているのだ。

「ぼくには、命に代えても守らなくてはならないものがある。」

そうでもなければこんな台詞はでてこない。

 

今映画中で話題になっている台詞。

「僕の恋人は、日本だ。」

これは冗談でも何でもない。彼が四六時中考え、そのために動き、最も守りたいと思っている、それが日本。

 

こんな男がいるだろうか。

 

一本芯が通っている人はとても格好いい。

 

降谷零という男には、決してぶれない軸がある。

 

だからこうまでも彼に惹かれるのだろう。

 

 

 

 

経歴から零くんを見る

 

経歴

施設で育つ(スコッチとともに)

18歳 東都大学入学

22歳 東都大学法学部卒後

    (旧)国家公務員一種試験に合格(ほぼトップ合格?)

23歳 警察学校に通った後

24歳 警察庁警備局警備企画課配属

黒ずくめの組織、犯罪組織に潜入

そこから5年組織に潜入して探ることになる

25歳から27歳のあいだに幼少期施設でともに育ち、同じ日本の警察のスパイとして潜入していたスコッチの死亡

29歳 安室透として三つ目の顔をもつ

 

経歴から見てとれる優秀さ。

 

でもこうやって育つ中で、何が降谷をここまで日本に対する思い入れを強くさせたのか。

プライベートをすべて捨ててまで、人生をかけて日本を守る、なんて普通に育ったらそうはならないだろう。

 

降谷零の好きな食べ物は、好きな映画は、お気に入りの作家は、これまでの人生に影響を与えた本は、どんな人が好きでどんな人が嫌いなの、これらの問いに答えはあるの。

 

わからない。しかし、それでさえも彼の魅力を増す要因かもしれない。

 

料理スキル、ドライビングテクニック、テニス、ギターどこで身につけたんだろう。ギターはスコッチかな。大学生の零くんには、「私生活」も存在したはず。

図書館で勉強をしている彼が想像できる。

身よりがなかったから独り暮らしだったのかな。それとも、スコッチと一緒に暮らしてたのかな。毎日献立を考えたりしてたのかな。

何が好きで、何が嫌いだったんだろう。何を許せて、何は許せないのか。

そしてなぜ、それらすべてを捨ててまで懸けたいと思ったのか。

はじめからずっとなのか、そうじゃなければいつ頃から、命を懸けてでも守りたい、守らなければならないと思うようになったのだろうか。

 

 

わからない。

 

だから、知りたくなる。

 

彼のことを考えてしまう。

 

今後原作で明かされていくのが楽しみだ。

 

 

主題歌

最後になるが、ゼロの執行人で想像以上によかったのが主題歌である。

福山雅治による「零 -ZERO-」

 

 

真実はいつもひとつでも正義はそう涙の数だけ

 

 

このひとことで、この映画が表されているように思える。

それぞれが、それぞれの正義をもって走る。

 

それがたまらなく、かっこよかったんだよなぁ。

 

 

 

ゼロの執行人を見た人はぜひ、心ゆくまで降谷零という男について考えてみましょう。そうしたらもっと彼のことが好きになれると思いますよ。

 

 

 シークレットアーカイブス

安室透好きにはぜひ見てほしい一冊。どの店でも売り切れており、手に入れるのが非常に困難になっている。赤井さんや風見さんとの関係にもたっぷり触れられている。

古谷徹さんが演技する上で意識した点や、青山先生が安室というキャラクターを作っていった過程まで知れる。

ゼロの執行人から降谷零を読み解くということを膨大なイラスト付きで徹底的に行っている。

 

 

幻のサンデー

安室のスピンオフ作品、ゼロの日常初回と、名探偵コナンの連載で安室と赤井が激アツすぎる展開を迎える一冊。

夜中にダウンロードして、興奮しすぎてうっかり寝れなくなってしまった。これが300円なんて安すぎる。